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木部の塗装はなぜ剥れるのか [追記]

今日は久々に書きます。

書いても書かなくても基本的に読んでいただける

閲覧数はあまり変わらないところが悲しいような・・・


今日のお話しはなぜ木部の塗装は剥れるのかです。

塗り替えても塗り替えても剥れる木部の塗装

「木の塗装は剥れちゃうものだし仕方ないよね」」なんて

感じだと思います。私もある意味そう思いますが

私個人の考えはまた後ほど。

木質含水イメージ.jpg図1

図1は木の拡大イメージです。

A、全乾状態    含水率 0%

B、平衡状態    含水率 15%前後   (平衡含水率) 

C、繊維飽和状態 含水率 30%      (繊維飽和点)

D、飽和含水    含水率 30%以上

含水率は完全乾燥状態の「木」の重さに対してどのくらい水分が

含んでいるかで含水率が決まります。全乾状態の木の重さが1キロで

水分が0.3キロあって合計1.3キロなら含水率は30%です。

この木の中の水分は、木の細胞間(内腔)を自由に行き来できる水分を「自由水」、

細胞のなかにある水分を「結合水」というらしいです。

そのうち自由水は木の重さに関係するんですが、

結合水の増減は木の変形をもたらします。

木と言う材質は外気の湿度に関係して、木の水分を吸排気して平衡状態を

保とうとします。この平衡状態を保っているときの含水率は国内の木なら15%

前後で含水率15%前後なんですね。

これは木が木であるがゆえの自然な現象で、

まるでお小遣いをあげすぎた旦那さんが財布に溜まったお金をどこかで

発散するべく夜遊びしちゃうのと似てるかもしれません。

ちょっと違うかな。。。。

この吸排気・吸水を止める方法は「人体の不思議展」などで、展示されていた

人体(本物)に施されていた、「真空状態の中に入れて樹脂を浸透させる」

で対応できるとは思いますが、そもそも木が建物外面に使用されている

建物って20~30年以上前の建物がほとんどで、当時もこの技術はあったとしても

一般建築物に適用されるほど低コスト技術ではなかったであろうし、

今では新築の建物にそこまでするなら別の建材に変わっちゃうんですよね。

だからこの話は「塗替え専用」的なところです。

ただ、新設部分に使用したとしても、蓄熱度合いがかなり高いはずです、

窯業系サイディングのように。

異方性.jpg図2

図2は樹木のどこから木を切出したかによって、

結合水の増減で木の変形がどう変わるかを表した図です。

画像 008.jpg画像1

画像1は庇の鼻の木材が変形して、軒天が垂れ下がったものですが、

破風周りの軒天も破風板の内側にみぞが彫られていて、

差し込まれていて、天井部分には細釘などで止められていますが、

軒天の板自体そこそこ重みがあるので、破風板や庇の木材が変形すると、

みぞから外れてそのうち垂れ下がっちゃうんですね。

外部に設置されていて、塗料で厚みを付けたりすると含水率は

高くなる部位もあるんですが、これは建物の立地や近隣に影響しますが

高含水率である場合、自重からクリープ変形を起こしたり、

膨張してたわみが出たりします。


木は結合水の吸排気を絶えずその性質から繰り返すんですね。

さきほどもお話ししましたが結合水の平衡含水を繰り返します。

木部用の皮膜を形成する塗料は一部を除いて硬いので動きに追従できなくて

塗膜に微細なクラックが出来たり、どこからか滲みた水分で

飽和含水になって内部から水や湿度の出口を求めて、

細胞壁に付着している塗料を内部から押し剥がしてしまう。

これが剥れの大きな原因なんですね。

しかも破風板やその他の木部は色が濃いですよね。

色が濃いからかなり放射熱で熱くなる。

うちにある木部の塗装を試しに行っているものでも、

無塗装と黒い色を塗ったのではかなり温度が違います。

黒い色のものは炎天下のなか触るとあちーーってなりますが

無塗装はほんのり暖かいくらいです。

これが含水率が高い状態だったら、水分が蒸発するときに

気化して膨張するので、内部から塗膜を押す力は強くなるはずですよね。



だから木部に皮膜形成する塗料を塗装して剥れるというのは、

相手が含水率を変化しやすい性質をもった素材であるがゆえの

当たり前のことで、逆をいえば剥れずに飽和含水になることのほうが

よほどダメなことなんだと思います。

このことは今、腐朽菌に詳しい方にご意見を伺ってます。


つまりですね、建物外部に設置された木材である以上

どこからともなく滲み込む水と言うのはあるわけです。

破風板や窓枠、戸袋など。

そういう木部に強靭な塗膜を形成し、高密度結合塗料を上塗りをすると

平衡含水を保つために

〇〇塗装後破風(他店).JPG

こうなったり

または、建物や立地によっては強靭な塗膜形成する塗料でなくても

もともとが吸水性が高い部分を塗りつぶしてしまうと

NEC_0288.JPG

こんな風になったり

雨水の溜まりやすいところで吸水性が高くなるところに

何回も何回も塗りつぶして塗膜を厚くしてさらに高密着・高密度の強靭な塗膜

形成をする塗料で覆うと平衡含水率が保てずに飽和含水になって腐朽して

枠.jpg

こんなふうになったりもします。


平衡含水率を自然の現象として行い、自らの力で調湿作用する持ち味を

持っているところに、無理に人の手を加えるとなってしまうんですね。


でも私、ペンキ屋なんですよね。。。。

事実をいうとこの記事は自爆系なんですが。。。


そういう部分には防腐剤処理の塗料を塗るとか

オイルステインだったり、含浸塗料のほうがよいとは

思いますが、先ほどもお話ししたんですが、

木部の塗装は塗替えが多いんですよね。

当然剥れていない部分もあるはずです。

そうなると剥れたり剥れてなかったり、マチマチの場所なのに

含浸塗料などを塗るとムラが半端ではなく出ます。

剥れた場所はつやが出ないんですよね。

だから塗るにしてもオイルステインなどでさらりと塗る。

これも剥れている部分はツヤは出ないですが

このほうが木にとってはいいのかなぁと言う気がします。

ただこれは目視確認(現地調査時)したときに

どういう建物か考慮しなくてはならないので

一概に「〇〇〇〇を塗ったほうが良い」とは

マニュアル化できないんですよね。

コッテコテに塗りつぶしても全く異常のない

部分の木材はありますし。

まぁこれもその職人の資質に関わるんですが。。。


P1000206.jpg

このような建物である場合はむしろ

個人的な考えではありますが、高級な塗料を使用して

長期化を目指すより、安価な塗料・軽微な施工方法を

適度な期間で繰り返したほうがよいのではないかなぁ

と感じます。

高級な塗料で工事をするとお家の人だって

「あんなに高価な塗料で塗替えしたのに木部が剥れてきちゃった」

というのは業者側の私でさえ思うし、お金を支払った側の人は

もっと感じるのではないかなぁと思うんですよね。

そうなると木部だけのメンテが億劫になってしまう傾向って

あると思うんですよね。

では剥れという現象が出ないために木部の旧塗膜を総剥離して

含浸塗料で塗装するかといえばケレン代がかなり高額になるので、

10年くらいを目安に足場を立てて工事してもいいような感じに

なるように塗料の選定・工法の選定をお家の方と業者で一緒に

検討しないと、強膜型の塗料で塗り固めてもいいものなのか

総剥離して含浸塗料で施工するのか

いっそのこと木部を撤去して別の素材に変更するのか、

考慮するべき問題があるんですよね。




お話しをまとめるとですね

塗れば良いって物でもない箇所は沢山あるということなんですね。

でも消費者の方は塗装のことは難しくて理解できるまで

10年程度の実務経験が必要になる分野ですので

塗装のプランニングはその業者の方針できまりますから。

木部への過度な塗膜は時として木自体に悪影響が

出る場合もあるのでお近くの商売っ気がなくて信頼に足りる

毎日ペンキを塗ってる職人と話し合う必要はあると思います。

(かーちゃんごめんよ、不景気なのにもっと仕事減るかもよ)



またこれ以外にも木部の塗装は剥れる原因があるはずなので

みなさんにお話しできるレベルになったらまた書きますね。

毎回毎回つまらない記事を読んでいただいて

当店一同感謝してます。ありがとうございました。

























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